アップライトロウで三角筋を鍛える【やり方のポイントや注意点も解説】

アップライトロウで三角筋を鍛える【やり方のポイントや注意点も解説】

肩のトレーニング法を調べてる方

アップライトロウってなんだろう? アップライトロウってどうやるの? アップライトロウのポイントや注意点ってなに?

こんな疑問にお答えします。

今回は、以下の内容を解説していきたいと思います。

  • アップライトロウとは?
  • アップライトロウの動きと可動域
  • アップライトロウのポイントと注意点
  • アップライトロウのバリエーション

私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。

「アップライトロウ」は難しい種目の一つでもあり、ジムなどでも少しやり方が間違っている方も見かけます。

今回はアップライトロウの正しいやり方、フォームや注意点について解説していきます。

アップライトロウとは?

三角筋中部

アップライトロウとは、三角筋(特に中部)を重点的に鍛えるトレーニング種目です。

三角筋の中部を鍛えることで、肩幅が広く見え、逆三角形の体を作ることができます。

アップライトロウのやり方

では、アップライトロウのフォームについて詳しく解説していきます。

ここでは、スミスマシンを使ったアップライトロウのやり方を解説していきます。


  1. まず、手を肩幅程度にひらき、バーを握ります。
  2. 足は手よりも少し狭く、肩幅ぐらいに開いて直立しましょう。
  3. 肩の真横に肘を上げていくイメージで、バーを鎖骨あたりまで引き上げ、2秒程止めます。
  4. 引き上げるときと同じ軌道で、ゆっくりと元の位置に戻します。

回数の目安は「15〜20回」、休息を挟みながら、3〜5セット行いましょう。

肩の筋肉(三角筋)は遅筋線維が多い筋肉なので、低負荷〜中負荷で高回数のトレーニングが有効です。

アップライトロウの動きと可動域

肩関節の可動域

アップライトロウで鍛える筋肉「三角筋」をうまく使うために、動きと可動域について理解しておきましょう。

「どの関節が、どの範囲まで動かすことができ、またその動作によりどこの筋肉が働いているのか」を知っておくことで、トレーニングの質は格段に良くなります。

アップライトロウに関連する肩関節の動作は、「肩関節の内旋動作」と、「肩関節の外転動作」ですので、それぞれについて解説していきます。

肩関節の内旋動作

肩関節の内旋動作は、腕を内側にねじる動作のことを言い、「三角筋前部、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、大円筋」が関与しています。

アップライトロウのトレーニングのメインターゲットは「三角筋」ですが、「肩甲下筋、大胸筋、広背筋、大円筋」も少しずつ関与しているという事です。

アップライトロウの場合、肩関節を内旋させ、手の甲が正面を向いた状態で動作を行います。

その際に、肘の位置が外を向くので、肘を引き上げる時に、外側に肘を開きやすくなります。ですので、肩関節の内旋動作を大きくすると、肘の持ち上げやすさが上がります。

肩関節の内旋動作の可動域は80度ありますが、アップライトロウでは、バー、もしくはダンベル、チューブなどを握って行うので、手の甲が正面を向く位置までの可動域で行いましょう。

肩関節外転動作

肩関節外転動作は、体の外側から上腕を上げる動作のことを言い、三角筋中部や棘上筋が関与します。

肩関節の外転動作の可動域は180°ありますが、高く上げれば上げる程、肩関節だけでなく、肩甲骨の上方回旋筋の動きも強くなり、僧帽筋などの別の筋肉の関与が大きくなります。

ですので、アップライトロウでは、肩関節の外転動作は90度程度まで行い、肘を肩の高さまで持っていきます。そうすることで無駄な部位を使い過ぎず、三角筋を収縮することができます。

アップライトロウのポイントと注意点

アップライトロウを行う際のポイントと注意点は以下の4点です。

  • 肩をすくめないようにする
  • 反動を使わないようにする
  • 肘から上げる
  • 下げる時には腕を伸ばしきらないようにする

それぞれについて、詳しく説明していきます。

肩をすくめないようにする

アップライトロウのメインターゲットは、三角筋です。

バーやダンベル、チューブを上に持ち上げる際に「肩をすくめてしまう」と、肩甲骨を上下する時に使う「僧帽筋や肩甲挙筋」を多く使ってしまい、三角筋に効いてる感覚が薄くなってしまいます。

上腕だけでなく、肩甲骨も若干動くので、僧帽筋や肩甲挙筋などもある程度関与してしまいますが、三角筋の中部を使う割合を高めたいです。

できるだけ、三角筋だけ使ってアップライトロウを行うために、肩がすくまないように、意識して肩を落とすことを心がけましょう。

反動を使わないようにする

扱う重量が高重量であったり、疲労が重なってくると、「反動を使いがち」になります。

反動を使うと肩がすくんでしまい、僧帽筋や肩甲挙筋を使ってしまうだけでなく、筋肉が大きくパワーのある「背部や腰部」も使ってしまうことになり、腰への負担が上がってしまいます。

また、反動の加速動作により、三角筋の筋収縮によって持ち上げる割合が減ってしまいます。

後半、キツくなってくると反動を使ってしまいがちですが、できるだけ使わないよう、地面をしっかり踏ん張り、お腹に力を入れて行いましょう。

反動を使っていると感じたら、重量を少し下げるのがオススメです。

肘から上げる

アップライトロウで、重りを上に持ち上げる時に、バーやダンベル、チューブを握っている拳を先に上げてしまうのもよく見られます。

拳を先にあげるのではなく、肘で腕の動きをリードしながら上げることが大切です。

手のひらを正面に向け、肩関節の内旋動作を行い、肘を横に突き出すと、僧帽筋が下に下がりやすくなり、肩がすくみにくくなるので、動作中に肘の位置が変わらないように注意しましょう。

下げる時には腕を伸ばしきらないようにする

下ろすときに腕を伸ばし切ってしまうと、三角筋から力が抜けてしまいます。

トレーニングの際には、筋肉に負荷が乗り、力を入れたまま伸び縮みをさせる事が大切です。

下ろす時にも、腕を若干曲げた状態を保つことで、最後まで三角筋に負荷をかけ続ける事ができます。

アップライトロウのバリエーション

アップライトロウはバリエーションが多い種目で、スミスマシンの他に、ダンベル、バーベル、EZバー、ケーブル等で行うことができます。

基本的な動きは同じなのですが、バリエーションによってそれぞれメリット、デメリットがあります。

環境によって、できる種目、できない種目があると思いますので、ご自身のトレーニング環境にあったものを選択して行ってみてください。
※ご自宅や外出先でやる場合は、持ち運びやすいチューブを使ってのトレーニングがオススメです。

ダンベルを使ったアップライトロウ

ダンベルを使うメリットは、バーベルやスミスマシンよりも可動域が広がることです。

腕を内側に回す、肩関節の内旋動作もバーベルよりも行いやすくなり、肘から引き上げる動作もやりやすくなります。バーベルでうまくできない方は、ぜひダンベルに変えて行ってみてください。

ダンベルさえあれば、スペースを使わないので、気軽に取り組むことができます。

バーベルを使ったアップライトロウ

バーベルアップライトロウのメリットは、ダンベルアップライトロウよりも高重量が扱えることです。

デメリットとしては、腕の可動域が制限されるため、手首、肩関節の柔軟性がないと、肩関節の内旋動作がしづらく、手首や肩を痛めやすいことです。

肩関節に不安がある方、バーベルでやりにくい方は、ダンベルアップライトロウの方がオススメです。

EZバーを使ったアップライトロウ

バーベルがW型になっているものをEZバーといいます。

通常の直線で作られているバーベルよりも握りやすく、肩関節の内旋動作がしやすいので、アップライトロウに向いています。

また、力がかかる方向にバーの角度がついているため、手首への負担が小さいのが特徴です。手首に痛みがある方や手首のかたい方にもオススメです。

ケーブルを使ったアップライトロウ

ケーブルアップライトロウのメリットは、バーの軌道が固定されているため、フリーウェイトを使うよりも力が逃げにくく、最後まで負荷をかけ続けられることです。

バーの軌道が決まっている分、自身の立ち位置、握り幅、肘の動きをバーに合わせに行く必要があります。

しっかり合わせれば、手首への負担も軽く、安全性が高いので、初心者にオススメです。

まとめ

三角筋を鍛えるトレーニング「アップライトロウ」は、色々なバリエーションがありますので、ご自身にあったトレーニング方法を見つけてみてください。

また、三角筋は遅筋線維の割合が多く、低負荷〜中負荷で高回数のトレーニングが有効ですので、重量にこだわり過ぎず、丁寧にゆっくりとした動作で行うよう、意識してみて下さい。

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