反り腰にお悩みの方
こんな疑問にお答えします。
今回は、以下の内容を解説していきたいと思います。
- 反り腰とは?
- 反り腰のチェック方法
- 反り腰になる原因
- 反り腰のデメリット
- 反り腰を改善する方法
- 反り腰を改善するための筋トレ種目
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。
反り腰は、慢性的な腰痛や、太っているわけではないのに下腹が出ている「ぽっこりお腹」を引き起こしてしまいます。
反り腰に関係する筋肉の強化や、生活習慣を見直して、ぜひ反り腰を改善していきましょう。
今回は、反り腰の改善方法として有効な筋トレ種目を紹介していきます。
目次
反り腰とは?
反り腰とは、腰が前に出て反っている姿勢のことです。男性よりも女性に多い傾向があります。
反り腰の方は、本人としては「良い姿勢をしている」と思いがちで、腰痛や下半身太りに悩まされている方が多いです。
解剖学的には、反り腰は「骨格のズレ」を指します。骨盤が通常の角度よりも前傾し、腰椎部分が過伸展している状態です。
この場合、脊椎骨とその支持組織である筋肉や、腱、靭帯と、背骨に支えられた肉体組織に過度の負担がかってしまいます。
反り腰のチェック方法
「腰が痛かったり、下半身にお肉がついてきてしまって、自分も反り腰かも……」と気になられた方は、上記の動画の内容で反り腰かどうかをチェックしてみましょう。
動画の内容に加えて、「仰向けで膝を伸ばすと腰が痛く、膝を立てると和らぐ」場合も、反り腰の可能性があります。
反り腰になる原因
反り腰になってしまう原因としては、以下の5点が考えられます。
- 腹部の筋力低下
- 臀部やハムストリングスの筋力低下
- 腸腰筋の柔軟性低下
- 妊娠や肥満など体形の変化
- ヒールの高い靴をよく履く
腹部の筋力低下
加齢や運動不足により、お腹周りの筋肉(腹直筋など)が筋力低下すると、骨盤が前傾してしまいます(骨盤が前に傾いてしまいます)。
前傾した下腹部のバランスをとるために、背部や腰部が緊張し、反り腰を招いてしまいます。
この時には、姿勢を保つ働きがある「脊柱起立筋」が、後ろに反る形で緊張しています。
臀部やハムストリングスの筋力低下
「大臀筋、中臀筋、ハムストリングス」は、「腸骨後部、坐骨から大腿骨、腓骨、脛骨」に付着しており、筋力低下すると、骨盤を後傾させる力が弱くなります。
そうなると骨盤のバランスが崩れしまい、骨盤が前傾しやすくなるので、反り腰に繋がってしまいます。
腸腰筋の柔軟性低下
デスクワークが多く、座り姿勢が続いてしまう方が多いと思います。
座り姿勢は、股関節が屈曲している状態なので、ずっと続けていると、股関節の前側にある「腸腰筋や大腿直筋」が硬くなってしまいます。
腸腰筋や大腿直筋が硬くなり、柔軟性が低下すると、骨盤が前に引っ張られてやすくなり、反り腰の原因となってしまいます。
妊娠や肥満など体形の変化
妊娠や太ってお腹が出ると、お腹の重みで重心が前にかかります。
前重心の身体を支えるために、無意識に上体を反らしてしまい、反り腰の姿勢になってしまいます。
ヒールの高い靴をよく履く
ヒールの高い靴も、反り腰の原因になってしまいます。
ヒールを履くと、踵(かかと)が高くなるので、重心がつま先側にいきます。
前重心になった身体のバランスを取ろうとして、上体を後ろに反り、反り腰の姿勢になってしまいます。
反り腰のデメリット
次に、反り腰になると起こるデメリットを解説していきます。
以下の4点がデメリットとして考えられます。
- お尻が垂れてしまう
- 下っ腹がポッコリしてしまう
- 脚のラインが崩れてしまう
- 腰痛を引き起こしてしまう
お尻が垂れてしまう
反り腰になると、骨盤が前傾し、大殿筋が伸びた状態になります。
そうなると、大殿筋が収縮しづらくなり、徐々にたるみに繋がってしまいます。
また、骨盤が前傾すると、骨格の構造的な連鎖により、股関節が内股になりやすくなります(股関節の内旋)。
股関節が内旋すると、脚の付け根(大転子)が外側に押しやられ、太ももの外側の筋肉が外に広がってしまい、お尻が大きく見えてしまいます。
股関節が内旋することで、股関節の可動域も狭くなるので、お尻の筋肉を使いづらくなり、お尻が垂れる要因になってしまいます。
下っ腹がポッコリしてしまう
反り腰で骨盤が前傾気味になると、内臓が下に垂れやすくなります。
また、骨盤が前傾すると、コルセットのように内臓を支えている腹横筋が長く緩んでしまいます。
お腹の筋肉がゆるむと、下に垂れてきた内臓を支えきれずに、お腹がぽっこりしてしまいます。
脚のラインが崩れてしまう
反り腰になると、骨盤が前傾し、重心が前にいきやすくなります。
つま先方向に重心がいくと、バランスを保つために、ふくらはぎに力がかかり、ふくらはぎの筋肉が張りやすくなります。
また、骨盤が前傾することで、股関節が内旋してしまうと、脚のラインがX脚になりやすくなってしまいます。
腰痛を引き起こしてしまう
反り腰は、腰や背中の筋肉が緊張した状態になります。
筋肉は、緊張すると血行が悪くなり、十分に酸素や栄養が届かず、老廃物を正常に排出できなくなります。酸欠状態になった筋肉は脳に痛みとして伝えます。
これが、慢性的な張りや腰痛の原因になっています。
また、腰椎の前湾が強くなることで、腰椎の椎骨同士の隙間が狭くなり、脊髄の神経の通り道である脊柱管を狭くします。
脊髄神経が圧迫を受けて血流が低下すると、腰部脊柱管狭窄症を引き起こす可能性もあります。
腰部脊椎管狭窄症は、腰痛に加えて、太ももや膝から下のしびれるなどの症状を引き起こしてしまいます。
反り腰を改善する方法
ここでは、「反り腰を改善するにはどうしたら良いのか」ということを解説していきます。
前述の通り、反り腰の原因は「筋バランスの悪さや重心位置」です。その原因を理解したうえで、どのように改善したらよいかを考えていきましょう。
- 柔軟性の改善
- くるぶし重心を意識する
- 筋力低下している部分の筋トレ
柔軟性の改善
反り腰の原因として、「腸腰筋、大腿直筋、脊柱起立筋、内転筋群、腰方形筋」などの筋肉が硬くなっていることがあるので、これらの筋肉をストレッチすることで、骨盤を正常な傾きに改善していきます。
背部についている筋肉は、骨盤の後部を引き上げる方向に縮み、身体の前面についている筋肉は、骨盤の前部を引き下げる方向に縮むので、骨盤の前傾を誘発してしまいます。
これらの筋肉をストレッチして、柔軟性を改善していくことが重要です。
くるぶし重心を意識する
立ち姿勢で、前後の正しい重心位置は、くるぶしの下あたりです。
しかし、妊娠や肥満でお腹が前に出ている方や、ハイヒールをよく履いている方は、重心の位置が前方にいきやすくなります。
体型や靴の構造上、なかなか難しいですが、ストレッチや筋トレを取り入れて、重心が正常な位置にくるように意識しましょう。
筋力低下している部分の筋トレ
反り腰の原因に、「大臀筋、中臀筋、ハムストリングス、腹直筋の筋力低下」もありました。
これらの筋肉を筋トレすることで、骨盤のポジションを正しい位置に戻し、反り腰の改善に繋げていきます。
上記の「柔軟性の改善」と合わせて、筋力強化も実施していきましょう。
反り腰を改善するための筋トレ種目
それでは、反り腰を改善するための筋トレ種目を紹介していきます。
- ヒップアブダクション
- マシンアブダクション
- ヒップスラスト
- フロントランジ
- レッグカール
- クランチ
ヒップアブダクション
ヒップアダクションは、大殿筋、中臀筋の筋肉を刺激できるトレーニングです。
- 中臀筋に効かせるときは、動画のようにつま先を正面に向ける。
- 大臀筋に効かせるときは、つま先を少し外にひねって、股関節を外旋させる。
- 体幹部が動かないように固定し、脚を真横に上げるよう意識する。
マシンアブダクション
マシンアブダクションも、大臀筋、中臀筋を鍛えるトレーニング種目です。
- 足を閉じるときは、最後まで閉じ切らずに、大臀筋や中臀筋に負荷をかけ続けること。
- パッドに脚を当てる際に、足首やスネの外側などに力が入りすぎないように注意する。
ヒップスラスト
ヒップスラストは、バーベルを使って大臀筋を鍛えるトレーニング種目です。
バーベルの重りで股関節の前面が痛くなる場合は、パッドなどを使うようにしましょう。
- 股関節を屈曲、伸展し、臀部に刺激を入れたいので、膝の動きを出来るだけ抑える(膝の動きが大きくなると、大腿四頭筋を使ってしまいます)。
- 持ち上げたときに、臀部の収縮を意識をする。
フロントランジ
フロントランジは、大臀筋、ハムストリングス、大腿四頭筋を鍛えるエクササイズです。
- お尻を下に落とすイメージで行う(前に動きが流れてしまうと、大腿四頭筋に負荷がかかってしまいます)。
レッグカール
レッグカールは、ハムストリングスを鍛える種目です。
- お尻が浮いてしまうと、ハムストリングスから負荷が逃げてしまうので、お尻が浮かないように固定して行う。
クランチ
クランチは、腹直筋を鍛える種目です。
- 上体を起こすときに息を吐いて腹を凹ますように腹直筋を収縮させ、戻すときには腹直筋の力が抜けないように息を吸うように、呼吸を意識する。
まとめ
反り腰は、一見良い姿勢に見えますが、慢性的な腰痛を引き起こしたり、筋力が弱まるとポッコリお腹や、姿勢の悪さが目立ってきます。
反り腰の原因となる「筋力の低下や重心の位置」を改善するために、対象となる筋肉の筋トレやストレッチを実施していきましょう。
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