パーソナルトレーナーの仕事に興味がある方
こんな疑問にお答えします。
今回は、パーソナルトレーナーについて、以下を解説していきたいと思います。
- パーソナルトレーニング業界の市場規模
- パーソナルトレーナーの現在の需要
- パーソナルトレーナーの将来性
- パーソナルトレーナーのキャリアアップ
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、今回のテーマに関して度々セミナーさせていただり、同業の方とディスカッションする機会もありました。
今回は、それらの経験から得た情報を元に、解説していきたいと思います。
目次
パーソナルトレーニング業界の市場規模
フィットネス業界全体(主にフィットネスクラブ)は、4,500億円ほどの市場と言われています。もう少し広げると、ダイエット市場は2兆円市場と言われています。
パーソナルトレーニングジム業界の代表格であるRIZAP社が、ジム事業単体で300億円以上の売上があるとのことです。業界2番手、3番手は、RIZAP社の1/2〜1/3くらいの規模ですね。
小規模のパーソナルトレーニングジムもまだまだ増えている状態です。
これらを加味すると、現在の日本のパーソナルトレーニング市場は、1,000億規模ではないかと推測できます。
パーソナルトレーニング業界は、2012年にRIZAPが誕生してから一気に認知され、6〜7年程で急速に拡大してきました。
パーソナルトレーナーの現在の需要
最近増えている、短期集中型のパーソナルトレーニングジムの料金は、2ヶ月20〜30万円と高額なものが多いのですが、実は客層は20〜50代の女性が多いです。
2000年代頃までは、パーソナルトレーニングというサービスは希少性が高く、「セレブが受けるもの、トップアスリートが受けるもの」と言ったイメージが強かったと思います。
それが2010年代以降、RIZAP社を筆頭に、TVCMやバラエティ番組などでもパーソナルトレーニングを見かけるようになり、さらにはSNSにより認知度が増し、一般化してきました。
過去にあった「セレブが受けるもの」「トップアスリートが受けるもの」と言ったイメージとは、大きく異なっています。
パーソナルトレーナーの将来性
今後は、「20代〜50代までの、若年層、ミドル層のパーソナルトレーニング需要がさらに伸びる」と推測しています。
理由は以下の3つです。
- フィットネスコンテストブーム
- フィットネスインフルエンサーの登場
- 低価格帯のパーソナルトレーニングジムの増加
フィットネスコンテストブーム
「ベストボディジャパン」、「サマースタイルアワード」、「フィジークコンテスト」など、フィットネスコンテストが2013年以降、非常に盛り上がってきており、多くの方が出場しています。
参加者が多いのは、20〜40代の男性カテゴリーです。これまでのパーソナルトレーニングの客層として多いカテゴリーではなかった男性が、パーソナルトレーニングの客層として増え始めています。
フィットネスインフルエンサーの登場
フィットネス系のYoutuber、インスタグラマーとして、多くのフォロワーを獲得する方が増えてきています。「ぷろたんさん」、「カネキンさん」、「ゆんころさん」、「AYAさん」、「岡部友さん」などです。
彼らは数十万人というフォロワーがおり、出版、メディア出演、イベント出演など露出が増えています。こういった方々に影響されてトレーニングをする20〜30代の方も増えています。
低価格帯のパーソナルトレーニングジムの増加
現在は、中小規模のパーソナルトレーニングジムがどんどん増えてきており、料金も低価格なものが登場してきています。
そういった流れから、20〜50代のゾーンで、ますますフィットネスニーズが高まるのではないかと予測しています。
実際に、弊社「Shibuya Fitness Sharez」のジムには、大学生なども通っています。
【よくある質問】高齢者のパーソナルトレーニングのニーズが高まるのでは?
「高齢化が進み、シニア層のパーソナルトレーニングニーズが高まるのでは?」といったことをよく聞かれますが、これに対して私の考えを示したいと思います。
結論を先にお伝えすると、「シニア層のフィットネスニーズは高まると思いますが、シニア層のパーソナルトレーニングニーズが高まらないのではないか」と考えています。
「フィットネスニーズが高まる」ことと、「パーソナルトレーニングニーズが高まる」ことは、必ずしもイコールではありません。
シニア層にとってフィットネスと言えば、バブル期に店舗数が増えた総合型フィットネスクラブ(プール、ジム、スタジオ、お風呂がセットになっているジム)のイメージが強いと思われます。
フィットネスクラブの楽しみといえば、大きな部分は「コミュニティ」です。会員同士の繋がり、会員とスタッフの繋がりなど、コミュニティが価値となっています。
これに対して、パーソナルトレーニングの価値は、「効率さ、効果、個別性」などです。
フィットネスクラブと、パーソナルトレーニングでは求められている事も、提供できるものも異なるのです。
そのため、シニアのフィットネスニーズが高まれば、「コミュニティ」要素が強いフィットネスクラブやカーブスに通う人は増えると思いますが、パーソナルトレーニングジムに通う割合はそこまで増えないのではないかと推測しています。
実際に、カーブスの店舗数、会員数は伸びていますし、経済産業省の調べでも、フィットネスクラブの会員構成比率は、高齢者の割合が増えてきています。
「パーソナルトレーニングジムも増えているので、高齢者の需要も増えてるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、やはりメインで増えている客層は「20〜40代の女性」であって、高齢者の方がメインユーザーになっていない状況です。
「パーソナルトレーニングジム」と「ダイエットをしたいユーザー」をマッチングするサービスの利用状況
以上の理由により、高齢者のパーソナルトレーニングのニーズはそこまで高まらないと予測しています。
パーソナルトレーナーのキャリアアップ
パーソナルトレーニングの業界が目立ち始めてきたのは、ここ5〜7年の話です。
私が知っている限り、ベテランパーソナルトレーナーでもやっと50代という感じです。引退した方などもほとんどない状況です。
そのため、これからパーソナルトレーナーになりたいと考えている方、今現在パーソナルトレーナーの方も、ロールモデルや将来像などが描きにくい部分があると思います。
そこで、知人のパーソナルトレーナーの方々の状況から、パーソナルトレーナーのキャリア形成について紹介していきます。
パーソナルトレーナーのキャリアを整理すると、以下の4つのパターンに分類できます
- 職人型
- 多角化型
- 影響力型
- 副業型
職人型
パーソナルトレーナー1本でずっとやっていくスタイルです。個人でパーソナルトレーニングジムを経営していく方もこれに当てはまります。
私の知人パーソナルトレーナーの方はもうすぐ60歳を迎えますが、未だにパーソナルトレーナーとして活動し、個人でパーソナルトレーニングジムを経営しています。
ただし、単価も高いですし、対象者も高齢者の方が多いです。
「年齢が上がっていくと現場でやっていくのは厳しいのでは?」と考えている方もいらっしゃると思いますが、対象者や指導内容によってはそんな事もないという事です。
医療系や治療系の資格を取得し、サービスの幅を広げるという方もいらっしゃいます。
多角化型
パーソナルトレーニング指導だけでなく、別の事業を展開していくスタイルです。
セミナー、講師、スクール、食関係、サプリメント関係、アパレル関係などのダイエット、ボディメイク、健康作りに関連する事業などが考えられます。
影響力型
インフルエンサータイプで、自身をタレント化し、メディア出演、出版、イベント開催などをして働いていくスタイルです。Youtuberなどもこのタイプです。
代表的な例を挙げると、AYAさんや、岡部友さんはこのジャンルに属します。
副業型
パーソナルトレーナー以外に、別の安定した仕事などを行うスタイルです。
例えば、「エンジニア×パーソナルトレーナー」や、「営業職×パーソナルトレーナー」などと言った形で行えば、年を重ねてパーソナルトレーナーの仕事の割合を減らしたとしても、別の仕事の割合を増やしたりすることができます。
ご自身がどんなキャリアを歩みたいかによって、働き方は変わってきます。将来のキャリア、働き方をイメージしてみるとワクワクするのではないでしょうか?
まとめ
20代〜50代までの、若年層、ミドル層のパーソナルトレーニング需要がさらに伸びることで、パーソナルトレーニング業界の市場規模は、まだまだ拡大していくと考えています。
これからパーソナルトレーナーになりたいと考えている方、現在パーソナルトレーナーとして活動している方も、将来のキャリア形成を自分の中でイメージした上で、それを達成するために「今何をすべきか?」を常に考え、日々活躍していっていただければと思います。
「今後のキャリア形成をどうしたら良いか相談したい」、「パーソナルトレーナーの現状について質問したい」などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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