ラットプルダウンについて調べている方
こんな疑問にお答えします。
今回は、以下の内容を解説していきたいと思います。
- ラットプルダウンとは?
- ラットプルダウンで鍛えられる筋肉
- ラットプルダウンのやり方
- ラットプルダウンのポイントと注意点
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。
ラットプルダウンは、逆三角形の体型や、くびれ作りに欠かせない「広背筋」を効果的に鍛えられるトレーニング種目です。ラットプルダウンは、バリエーションがいくつかありますので、それぞれの正しいやり方を確認していきましょう。
今回は、ラットプルダウンの正しいやり方やポイント、注意点について解説していきます。
目次
ラットプルダウンとは?
ラットプルダウンは、主に背中の筋肉を鍛えるトレーニングです。
ラットプルダウンの「ラット」は、背中の筋肉である「広背筋」を指しており、「プルダウン」は「下に引く動作」を指しています。
マシンなどを利用して、ケーブル経由でウエイトの付いたバーを下に引くことで、広背筋を鍛える目的で取り入れられるトレーニング種目です。
ラットプルダウンとチンニング(懸垂)の違い
広背筋を鍛えるためトレーニング種目として、ラットプルダウンと同様の動きをする「チンニング(懸垂)」がありますが、この2つは「運動強度」が違います。
チンニング(懸垂)は自分の全体重を支える必要があるため、運動強度が高く、キチンとしたフォームで行うにはかなりの筋力が必要です。
それに対して、ラットプルダウンは姿勢や負荷の調整も簡単にできます。
女性や初心者の方は、まずはラットプルダウンで背中を鍛えていき、背中トレーニングに慣れてきたらチンニング(懸垂)に挑戦してみましょう。
ラットプルダウンで鍛えられる筋肉
ラットプルダウンで鍛えることができる筋肉のメインが「広背筋」で、セットで鍛えられる筋肉は「大円筋」です。
※補助的には、「上腕二頭筋、僧帽筋、脊椎起立筋」が鍛えられます。
握り方や、握る幅を変えるなど少し工夫をするだけで、鍛えるメインとなる筋肉を変えることができます。詳しいバリエーションは後ほど解説します。
ラットプルダウンのターゲットである、「広背筋と大円筋」の働きを確認しておきましょう。
広背筋の働き
広背筋は、上腕骨の内側から、脊柱や骨盤にかけて付着する、逆三角形をした薄く広い筋肉です。
主に肩関節を動かすときに使用され、腕を後ろに引く動作(肩関節の伸展)や、上げた腕を外から下げる動作(肩関節の内転)に関与しています。
例えば、鉄棒にぶら下がって体を引き上げたり、ボートをオールで漕いだりする動きなどで使われています。
肩関節の動き以外にも、骨盤の傾きを保ったり、背中を伸展する作用もあります。
広背筋を鍛えると、逆三角形の背中を作ることができ、ウエストにもメリハリが付いてスマートな身体づくりに繋がります。
大円筋の働き
大円筋は、肩甲骨と上腕骨を結んだ筋肉で、肩甲骨の下あたりに位置しています。
広背筋とセットで働く筋肉で、主に肩関節の動きを支える働きがあり、腕を身体側に引き寄せる動作、腕を身体よりも後ろ側に回す動作のサポートをしています。
例えば、水泳のバタフライのように腕を真横に伸ばして回すような動きで使われています。
ラットプルダウンのやり方
ラットプルダウンは、バリエーションがいくつかあります。
それぞれは、握り方や握る位置が異なり、負荷がかかる箇所を変えることができます。
バランス良く背中を鍛えるために、各バリエーションを取り入れてみてください。
- フロント・ラットプルダウン
- リバースグリップ・ラットプルダウン
- ビハインドネック・ラットプルダウン
- クローズドグリップ・ラットプルダウン
- パラレルグリップ・ラットプルダウン
それでは、順番に確認していきましょう。
フロント・ラットプルダウン
フロントラット・プルダウンは、最もスタンダードなやり方のラットプルダウンです。
主に広背筋と大円筋に効果があり、たくましい逆三角形の体をつくるのに欠かせないメニューです。
- 上体を倒し過ぎない:上体を倒しすぎてしまうと、自身の体重をかけて重さを引くことになってしまうので、使いたい筋肉に対しての負荷が低下してしまいます。
- 胸を張ったまま動作を繰り返す:背中が丸くなってしまうと、広背筋や大円筋の収縮がうまくできないので、胸を張ったまま動作を繰り返しましょう。
- 肩をすくめない:肩をすくめてしまうと僧帽筋に負荷がかかってしまうので、肩を下に下ろしたまま動作を繰り返しましょう。
- 肘の起動が身体より後にいきすぎない:肘の起動が身体より後にいってしまうと、三角筋後部への負荷が上がってしまい、広背筋への負荷が低下してしまいます。
リバースグリップ・ラットプルダウン
リバースグリップ・ラットプルダウンは、順手ではなく逆手でバー又はグリップを握って行います。
逆手で行うことで、背中の筋肉に加えて、上腕二頭筋の関与が増し、引く動作をしやすくなります。ラットプルダウンに慣れてない方は、リバースグリップから始めてみてください。
主に広背筋と大円筋に効果があります。
- 上腕部をしっかりと身体より後ろに引く:逆手で握る場合は、腕を後ろに引く動作(肩関節の伸展)が中心となるので、胸を張り、肩も一緒に後ろに引くイメージで行いましょう。
ビハインドネック・ラットプルダウン
ビハインドネック・ラットプルダウンは、順手でバーを握り、バーを引く位置を首の後ろにします。
主に、広背筋、大円筋、僧帽筋の中部と下部に効果があります。
- 腕を外から内側に引く軌道:ビハインドネックの場合、床に対してバーを垂直に引くことになり、肘が後ろに逃げやすいです。肘を脇に近づけていく動作を意識して行いましょう。
クローズドグリップ・ラットプルダウン
クローズドグリップ・ラットプルダウンは、バーを持つ幅を狭くして行います。
これをナローグリップといい、通常のラットプルダウンとの違いは、腕を後ろに引く動作(肩関節の伸展)を多く取り入れ、上腕二頭筋も使いながら、広背筋、大円筋、僧帽筋などを鍛えることです。
- 上半身を倒し過ぎないようにする:上半身を後ろに倒しすぎてしまうと、肘がうまく後ろに引けず、肩関節の伸展動作がうまく行えません。
パラレルグリップ・ラットプルダウン
パラレルグリップ・ラットプルダウンは、手幅を広げて、手が向かい合うように握って行います。
手が向かい合うように握ることで上腕二頭筋を使いやすくし、腕を外から下げる動作(肩関節の内転)を行うことで、広背筋、大円筋を鍛えていく種目です。
広背筋や大円筋に負荷を乗せやすいので、ラットプルダウンに慣れてない方にもオススメの種目です。
ラットプルダウンのポイントと注意点
ラットプルダウンでしっかりと広背筋や大円筋に効かせるためのポイントや注意点を確認して、効果的なトレーニングを実施していきましょう。
ラットプルダウンのポイントや注意点はこちらです。
- バーを戻す際に腕を伸ばしきらない
- 正しい呼吸法で行う
- 肘の軌道に注意する
- 骨盤の向き、胸椎のラインを意識する
- 肩がすくまないようにする
順番に確認していきましょう。
バーを戻すときに腕を伸ばしきらない
バーを戻すときに腕を伸ばしきってしまうと、広背筋や大円筋から負荷が抜けてしまいます。
スタート時に広背筋や大円筋に軽く負荷をのる状態でスタートし、それが抜けないように上下を繰り返すイメージで行いましょう。
また、バーを引くときに力を入れるのではなく、バーを上に戻すときも負荷に抵抗するイメージで、負荷が抜けないようにしましょう。
正しい呼吸法で行う
息を止めたり、激しい呼吸をすると、全身が力んでしまったり、力が抜けてしまったりして、正確に効果を得ることができません。
慣れるまでは忘れがちですが、「バーを下げるときは息を吐く」、反対に「バーを上げるときは息を吸う」ということを意識しながら行いましょう。
肘の軌道に注意する
広背筋、大円筋をうまく使うには、肘の軌道が重要になってきます。
ラットプルダウンマシンは、ワイヤーが一直線になっている状態なので、ワイヤーの向きに重さがかかっています。
広背筋は、肘を身体に引き寄せるときに使う筋肉なので、ワイヤーに重さがかかっている方向と平行に肘を動かさないと、うまく広背筋や大円筋に負荷をかけることができません。
肘の軌道がワイヤーのラインと平行になっているか確認しながら行いましょう。
骨盤の向き、胸椎のラインを意識する
広背筋は、骨盤や脊柱についているので、腰が丸まっていたり(骨盤が後傾していたり)、背中が丸まっていると、広背筋はうまく収縮できません。
腰を少しそらし(骨盤をやや前傾させ)、背中を伸ばし(胸椎を伸展し)、胸を張った状態でトレーニングすることを意識しましょう。
このフォームが崩れてしまうと効果が落ちてしまいます。
肩がすくまないようにする
肩がすくんでしまうと、僧帽筋に負荷がかかり過ぎてしまい、広背筋や大円筋への負荷が低下してしまいます。
肩がすくまないように、肩を下げた状態をキープして実施しましょう。
まとめ
ラットプルダウンは、逆三角形ボディやくびれ作りに効果的な「広背筋」をメインに鍛えるトレーニング種目です。
バリエーションがいくつかありますので、それぞれの正しいやり方を確認し、効率よくトレーニングを実施していきましょう。
今回のテーマや、その他のトレーニング方法などに関して、ご質問や疑問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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