肩を鍛えようか迷ってる方
こんな疑問にお答えします。
今回は、以下の内容を解説していきたいと思います。
- 肩の筋肉の種類と役割
- 女性が肩の筋肉を鍛えるメリット
- 肩を鍛えるオススメの筋トレ種目
- 肩の筋トレをするときのポイントと注意点
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。
肩を鍛えることで、身体のラインがキレイになったり、姿勢の改善につながったりと、女性にとってもメリットが多いです。ぜひ日々のトレーニングに取り入れていきましょう。
今回は、肩の筋肉の概要や、女性が肩の筋肉を鍛えるメリット、オススメの肩の筋トレ種目などについて、解説していきたいと思います。
目次
肩の筋肉の種類と役割
まずは、肩の筋肉について詳しく説明していきます。
肩の筋肉は、アウターマッスルの「三角筋」と、インナーマッスルの「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」に分類されます。
- 肩のアウターマッスル:三角筋
- 肩のインナーマッスル:ローテーターカフ(回旋筋腱板)
それぞれの役割を確認していきましょう。
三角筋
三角筋の役目としては、腕を前、上、横、後ろに動かすときに使用する筋肉です。日常生活では、物の持ち運びや腕振りの時など、頻繁に使います。
三角筋は前部、中部、後部に分類され、それぞれ働きが異なります。
- 三角筋前部:肩関節の屈曲(腕を前に持ち上げる動作)
- 三角筋中部:肩関節の外転(腕を外に広げて持ち上げる動作)
- 三角筋後部:肩関節の伸展(腕を後ろに持っていく動作)、肩関節の水平外転(腕を地面に対して水平に持ち上げ後ろに持っていく動作)
ローテーターカフ(回旋筋腱板)
ローテーターカフとは、肩甲骨と上腕骨に付着する、深層部にある小さな4つの筋肉「棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋」の総称です。
※棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)と読みます。
ローテーターカフは、肩甲骨と上腕骨に付着しているので、三角筋と同様に「肩関節の動き」に関与します。
- 棘上筋:肩関節の外転
- 棘下筋:肩関節の外旋(上部は外転、下部は内転)
- 小円筋:肩関節の外旋、内転
- 肩甲下筋:肩関節の内旋
女性が肩の筋肉を鍛えるメリット
女性が肩の筋肉を鍛えるメリットとしては、以下の5点が挙げられます。
- 身体のラインが綺麗になる
- なで肩を筋肉でカバーできる
- 巻き肩の防止になる、姿勢改善に繋がる
- 肩こりの予防に繋がる
- 四十肩、五十肩の予防に繋がる
身体のラインが綺麗になる
肩のアウターマッスルの「三角筋」は、肩のアウトラインを形作っています。
三角筋を鍛え、体脂肪がある程度落ちると、肩と腕の境目が見え、ノースリーブから見えるラインが綺麗に見えます。
また、三角筋やローテーターカフを鍛えて筋バランスを整えることで、肩、鎖骨、肩甲骨を正常な位置に保てると、肩だけでなく、鎖骨のデコルテライン、肩甲骨の背中のラインも綺麗に見るようになります。
なで肩を筋肉でカバーできる
ショルダーバックが肩から落ちやすい方は、「なで肩」になっている可能性があります。
なで肩の場合、首が長く見えてしまうので、上半身が長く、足が短く見えるなど、ボディバランスが崩れてしまいます。
「もともとの体型だから……」と、諦めている方も多いかもしれませんが、肩のアウターマッスルである三角筋を鍛えれば、筋肉が「なで肩」をカバーしてくれます。
肩の筋肉を鍛えることで、ショルダーバックも落ちにくくなりますし、見た目のバランスも良くなります。
巻き肩の防止になる、姿勢改善に繋がる
猫背とよくセットになっているのが「巻き肩」です。
巻き肩は、「背骨はまっすぐなのに、肩だけが前に巻いている」のが特徴で、姿勢が悪くなり、スタイルがキレイに見えません。
原因としては、以下の2つのケースがあります。
- 大胸筋などに引っ張られて、肩の位置が前にいってしまうケース
- 肩甲骨が外に開いてしまい、肩の位置が前にいってしまうケース
三角筋やローテーターカフを鍛えて、肩と肩甲骨の位置を正常に戻せれば、姿勢の改善に繋げることができます。
肩こりの予防に繋がる
三角筋やローテーターカフが弱ってしまうと、肩甲骨から上腕骨にかけての動きが悪くなり、腕を動かす動作を他の筋肉でカバーしようとします。
特に、肩から首の付け根にかけての筋肉である僧帽筋は、腕を動かす動作をカバーして、疲労してしまいます。
結果として、僧帽筋の血行が悪くなり、コリが生じて、肩こりになってしまいます。
三角筋やローテーターカフを鍛えることで、無理なく腕を動かせる状態をキープしておくと、他の筋肉を必要以上に使うことがないので、肩こりの予防に繋がります。
四十肩、五十肩の予防に繋がる
上記同様に、三角筋やローテーターカフが弱り、腕の動きが悪くなると、腕を動かす際に肩関節に無理な動きが生じてしまいます。
これを繰り返していると、肩関節に炎症が起こってしまい、腕が上がらなくなったり、腕を上げようとすると痛みを感じてしまうようになります。この状態を「四十肩、五十肩」と言います。
三角筋やローテーターカフを鍛えることで、腕の動きをスムーズにできると、炎症も起こりづらくなり、四十肩や五十肩の予防に繋げることができます。
肩を鍛えるオススメの筋トレ種目
肩を鍛えるオススメの筋トレ種目を紹介していきます。
ダンベルやチューブは、手軽に入手でき、自宅でもトレーニングが可能なので、オススメのトレーニング器具です。
それぞれのトレーニング種目を確認していきましょう。
- ダンベルリアレイズ
- ダンベルアップライトロー
- ダンベルサイドレイズ
- 棘上筋のトレーニング
- 棘下筋のトレーニング
- 小円筋のトレーニング
- 肩甲下筋のトレーニング
ダンベルリアレイズ
三角筋の後部の筋トレとしておすすめなのが、リアレイズです。
三角筋後部を鍛えることで肩の輪郭を丸くし、肩から腕のラインを綺麗に見せることができます。また、三角筋後部は腕のポジションにも関係しているので、鍛えることで腕をしっかり引き、良い姿勢を作ります。
自宅にダンベルがない方は、代わりにペットボトルに水をいれて行う方法でも大丈夫です。
- 上半身を倒す角度は、45度から90度の間を目安にする(倒せば倒すほど強度が高くなります)。
- ダンベルをあげる時は小指を天井に向けるようにする。
- ゆっくりと確実に、三角筋に負荷がかかっているのを、実感するのも忘れないようにしましょう。
ダンベルアップライトロー
ダンベルアップライトローは、三角筋と僧帽筋の両方に効果のある、ダンベルを利用した筋トレです。
肩こり改善や姿勢改善にも有効で、デスクワークが多い方には特にオススメです。
重いダンベルを持ち過ぎすると僧帽筋に力が入り過ぎてしまうので、最初は1-2kg程度のものからでも問題ありません。
- 背中が丸まっていると僧帽筋を使い過ぎてしまうので、上体は真っ直ぐにして行う。
- 正確にゆっくりとした動きで自身の動作を確認しながら行う。
ダンベルサイドレイズ
ダンベルサイドレイズは、主に三角筋中部を鍛え、肩のアウトラインを作るには欠かせない種目です。
- 肘を軽く曲げ、スタート時点で三角筋に力が入っているのを確認してからスタートする。
- 横に広げながら持ち上げ、肩、肘、手首のラインが水平になる位置まで持ち上げ、一度止めてからゆっくり下ろす。
- 重量が重過ぎたり、キツくなってくると、肩がすくみ、僧帽筋に力が入り過ぎしてしまうので、フォームを意識する。
棘上筋のトレーニング
棘上筋の働きとして、肩関節の外転動作を鍛えるトレーニングです。
- 上半身、下半身をしっかり固定し、肩の関節、腕だけを動かす。
- 高く上げ過ぎたり、負荷を上げ過ぎるとアウターマッスルのトレーニング(サイドレイズやフロントレイズ)になってしまうので、丁寧に小さな負荷と小さな動きで行う。
棘下筋のトレーニング
腕を上げながら、棘下筋をトレーニングする種目です。
うつ伏せになり、親指を上にして腕を上げることで、肩関節が外転、外旋したポジションになるので、棘下筋を使うことができます。
- うつ伏せで腕を上げるだけで負荷がある程度かかるので、無理し過ぎないこと(最初は腕の重さや軽いチューブで行うようにしましょう)。
小円筋のトレーニング
腕を上げながら、小円筋をトレーニングする種目です。
うつ伏せになり、手のひらを上にして、肘を伸ばしたまま腕を上に上げていくことで、肩関節の内旋、伸展の動作になるので、小円筋を使うことができます。
- 手のひらの向きを天井側に向けたまま行うこと(肩関節が内旋した状態になりますので、それをキープしたまま行いましょう)。
肩甲下筋のトレーニング
腕を内側にひねる動きによって、肩甲下筋をトレーニングします。
肩甲下筋は肩関節の内旋動作の働きがあるので、肘を曲げて固定し、内側に回すことで使うことができます。
- 脇が開いてしまったり、肘が前後に動いてしまうと正確なトレーニングができないので、肘を固定して行う。
肩の筋トレをするときのポイントと注意点
女性が肩の筋トレをするときに、「意識したいポイント、注意したい点」も確認しておきましょう。
- 姿勢を正しくして行う
- トレーニング頻度は週の頻度は2回まで
- 低〜中重量で回数を多めに行う
- 三角筋後部、インナーマッスルをしっかり鍛える
姿勢を正しくして行う
トレーニングに慣れるまでは、重さや回数よりも、まず正しい姿勢を意識しましょう。
姿勢が崩れてしまうと、ターゲットの部位に筋肉がつかなかったり、ケガのリスクも高まってしまいます。
正しい姿勢で扱える負荷と回数を強度設定の基準としましょう。
トレーニング頻度は週の頻度は2回まで
定期的にトレーニングすることは大事ですが、頻度を多くしすぎないようにしましょう。
肩は上半身のトレーニングで補助的に使われるので、今回ご紹介したトレーニング以外を実施している時でも、肩の筋肉に刺激が入っています。
肩のトレーニングの頻度を上げ過ぎてしまうと、筋肉がつき過ぎてしまったり、疲労が溜まりケガの原因になってしまいます。
女性の場合、多くても週2回くらいまでにしておきましょう。
低〜中重量で回数を多めに行う
肩の筋肉は遅筋線維が多く、高重量で刺激するよりも、低〜中重量で回数を多めのトレーニングをした方が効果的です。
重さよりも、効き具合や正確さを追い求めましょう。「軽い負荷でも効かせることができるか」ということを意識してみてください。
三角筋後部、インナーマッスルをしっかり鍛える
三角筋の前部と中部は、他のトレーニングで補助的に使われることも多く、鍛えやすい部位です。
一方で、なかなか鍛えにくい「三角筋の後部」や、インナーマッスルをしっかり鍛えてあげることで、姿勢改善や肩のアウトラインを綺麗に見せることができるようになります。
背中側にあり、確認しづらいですが、三角筋の後部も忘れず鍛えていきましょう。
まとめ
肩の筋トレは女性にとってもメリットが多いので、ぜひ日々のトレーニングに取り入れてみてください。
肩を鍛えて、姿勢の良い、女性らしいラインを作っていきましょう。
今回のテーマや、その他のトレーニング方法などに関して、ご質問や疑問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
以下のボタンから「LINE友だち追加」をしていただくと、LINEでのお問い合わせが可能になります。