肩の可動域を広げたい方
こんな疑問にお答えします。
今回は、以下の内容を解説していきたいと思います。
- 肩の可動域とは?
- 肩関節の可動域と肩甲骨の関連性
- 肩関節の可動域を広げるメリット
- 肩関節の可動域を広げるストレッチ
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。
肩関節の可動域は、肩こりや腰痛などの身体の悩みから、スポーツパフォーマンスにまで関係してきます。肩の動きがおかしいと感じてる方は、ぜひ今回ご紹介する肩周辺のストレッチを実施してみてください。
今回は、肩関節の可動域の概要、肩関節の可動域を広げるメリットやストレッチ方法について解説していきます。
目次
肩の可動域とは?
肩の可動域とは、「肩を中心にして腕を動かせる領域のこと」を指します。専門用語では、「肩関節の可動域」と言います。
肩関節の動きとしては、「屈曲、伸展、外転、内転、水平内転、水平外転、内旋、外旋」があり、それぞれの正常可動域(角度)は上図の通りです。
「肩関節の可動域が広い」ということは、この正常可動域までの動きがスムーズに行われる様子を指します。
正常可動域までの動きをスムーズにするためには、筋肉の柔軟性があることはもちろんですが、対象の動作を行う筋肉がうまく働いているかどうかも影響してくるので、ストレッチだけでなく、トレーニングを行うことも重要になってきます。
肩関節の可動域と肩甲骨の関連性
肩関節は、上腕骨、鎖骨、肩甲骨、で構成されており、鎖骨はあまり動きが出ないですが、肩甲骨は様々な動きがあります。
肩を中心に腕を動かす際には、腕と肩甲骨の動きが連携し合って動いています。実際に腕をあげる動作を行い、背中側から肩甲骨の動きを見てみると、一緒に動いているのがわかると思います。
この、上腕骨と肩甲骨の連携を「肩甲上腕リズム」と言います。
例えば、肩関節の外転動作の場合ですと、
- 0度〜30度までは、「上腕骨のみ」の動きで可動できます。
- 30度〜180度までは、「肩甲骨1度に対して上腕骨2度」という、1:2の比率で動いていきます。
したがって、「肩関節の外転の30度〜180度」の150度分に関しては、肩甲骨が50度、上腕骨が100度動いていくことになるので、「肩甲骨の動きが悪いと、肩関節の可動域も低下してしまう」ということです。
肩関節の可動域を広げるメリット
肩関節の可動域を広げると、様々なメリットがあります。
- 肩関節のケガの予防になる
- 肩こりや首こりの予防・改善になる
- 姿勢が改善する
- スポーツパフォーマンスがアップする
- 二の腕痩せに繋がる
それぞれについて、解説していきます。
肩関節のケガの予防になる
肩周辺の筋肉を柔らかくして、肩関節の可動域を広げる(正常の可動域になる)と、身体への負担が減り、ケガをしにくくなります。
逆に、肩関節の可動域が狭いと、身体に悪影響が出てしまいます。
例えば、肩関節の可動域が狭く、肩甲上腕関節部分に負担がかかっていると、関節の外側や中側を包む関節包に負担がかかってしまい、四十肩や五十肩になりやすいです。
身体に負担をかけないようにするために、可動域が狭くなっている動きに対して、ストレッチやトレーニングを行っていきましょう。
肩こりや首こりの予防・改善になる
肩関節の可動域が狭いと、肩甲骨周辺の筋肉も硬くなっていきます。
肩甲骨周辺の筋肉が硬いと、肩や首の筋肉が引っ張られるので、肩こりや首のコリが発生しやすくなります。
肩こりや首こりの予防・改善のために、肩関節の可動域を広げるストレッチをして、肩周辺の筋肉を柔らかくしていきましょう。
姿勢が改善する
肩関節の可動域が狭いと、姿勢が崩れてしまうことがあります。
- 肩関節の外旋動作の可動域低下:腕を外に回す動作がしづらくなり、肩が前方に巻きがちになるので、猫背や巻き肩に繋がってしまう。
- 肩関節の屈曲動作の可動域低下:腕を上げる動作時に、腰を反らないと高い位置まで上げられないようになってしまうので、腰の反りが強くなった姿勢になってしまう。
これらの姿勢不良の改善に向けて、肩関節の可動域を広げていきましょう。
スポーツパフォーマンスがアップする
肩関節の可動域を広げることで、「物を投げる、物を打つ、腕を使って物を押す」などの動きを伴うスポーツのパフォーマンスがアップします。
例えば、水泳で水をかく動作、野球やハンドボール、水球などでボールを投げる動作、バレーボールやテニスなどでボールを打つ動作などです。
これらの動きは、肩関節の可動域が広いほど大きな動きができ、無駄な動きも減ります。
二の腕痩せに繋がる
上記でお伝えした通り、肩関節の可動域が狭いと、巻き肩や猫背に繋がってしまいます。
巻き肩や猫背の方は腕が前に行きがちなので、上腕三頭筋の一部が少し引っ張られ、意識せず筋肉を使っている状態になります。
こうなると、二の腕が太くなってしまう可能性があるのです。
肩関節の可動域を広げ、腕の位置を正常な位置にもっていくことで、筋肉を必要以上に使わないようになるので、二の腕痩せに繋がるということです。
肩関節の可動域を広げるストレッチ
肩関節の可動域を広げるには、「肩関節の動きにおいてどの動きが固いか?」ということを確認し、その動きに関連する筋肉にアプローチしていきましょう。
それでは、肩関節のそれぞれの動きに関わる筋肉のストレッチ方法を紹介していきます。
肩関節の屈曲動作の可動域を広げる
肩関節の屈曲動作の可動域が狭い場合は、肩関節の伸展に働く筋肉をストレッチする必要があります。
肩関節の伸展動作に関与する筋肉は、広背筋、大円筋、三角筋後部、上腕三頭筋なので、それぞれをストレッチしていきましょう。
広背筋、大円筋のストレッチ
三角筋後部のストレッチ
上腕三頭筋のストレッチ
肩関節の伸展動作の可動域を広げる
肩関節の伸展動作の可動域が狭い場合は、肩関節の屈曲に働く筋肉をストレッチする必要があります。
肩関節の屈曲に関与する筋肉は、三角筋前部、大胸筋鎖骨部、前鋸筋なので、それぞれをストレッチしていきましょう。
三角筋前部、大胸筋鎖骨部のストレッチ
前鋸筋のストレッチ
肩関節の外転動作の可動域を広げる
肩関節の外転動作の可動域が狭い場合は、肩関節の内転に働く筋肉をストレッチする必要があります。
肩関節の内転に関与する筋肉は、大胸筋、三角筋前部、広背筋、大円筋、小円筋なので、それぞれをストレッチしていきましょう。
※「大胸筋、三角筋前部、広背筋、大円筋」のストレッチは、上記でも紹介していますので、そちらをご確認ください!
小円筋のストレッチ
肩関節の内旋動作の可動域を広げる
肩関節の内旋動作の可動域が狭い場合は、肩関節の外旋に働く筋肉をストレッチする必要があります。
肩関節の外旋に関与する筋肉は、棘下筋、小円筋なので、それぞれをストレッチしましょう。
棘下筋、小円筋のストレッチは、上記のものと同じなので、そちらをご覧になってみてください!
肩関節の外旋動作の可動域を広げる
肩関節の外旋動作の可動域が狭い場合は、肩関節の内旋に働く筋肉をストレッチする必要があります。
肩関節の内旋に関与する筋肉は、三角筋、大胸筋、広背筋、大円筋、肩甲下筋なので、それぞれをストレッチしていきましょう。
※「大胸筋、三角筋前部、広背筋、大円筋」のストレッチは、上記でも紹介していますので、そちらをご確認ください!
肩甲下筋のストレッチ
肩関節の水平屈曲動作の可動域を広げる
肩関節の水平屈曲動作の可動域が狭い場合は、肩関節の水平伸展に働く筋肉をストレッチする必要があります。
肩関節の水平伸展に関与する筋肉は、棘下筋、小円筋、三角筋後部なので、それぞれをストレッチしていきましょう。
棘下筋、小円筋、三角筋後部のストレッチは、上記のものと同じなので、そちらをご覧になってみてください!
肩関節の水平伸展動作の可動域を広げる
肩関節の水平伸展動作の可動域が狭い場合は、肩関節の水平屈曲に働く筋肉をストレッチする必要があります。
肩関節の水平屈曲に関与する筋肉は、大胸筋、三角筋前部なので、それぞれをストレッチしていきましょう。
大胸筋、三角筋前部のストレッチは、上記のものと同じなので、そちらをご覧になってみてください!
まとめ
肩関節の可動域は、肩や首のこり、腰痛といった身体の悩みから、スポーツパフォーマンスまで、幅広く関係してきます。
可動域が低下してしまうと、身体のバランスに偏りがでてしまうので、出来るだけ正常な可動域に近づけるように、ぜひストレッチを取り入れてみてください。
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