筋肉の知識を深堀りしている方
こんな疑問にお答えします。
今回は、筋肉の基礎知識として、以下を解説していきたいと思います。
- 筋肉の構造
- 筋肉の種類の概要
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。
スクールでは、解剖学や生理学、バイオメカニクスなど、パーソナルトレーナーとして活動するための基礎知識の講義もあり、それらの講義の内容を整理して、今回のテーマについて解説していきたいと思います。
目次
筋肉ってどんな構造をしているの?
筋肉の構造としては、上図のように3種類あります。
- 横紋筋(骨格筋)
- 平滑筋
- 横紋筋(心筋)
それぞれの構造について、順番に解説していきたいと思います。
横紋筋(骨格筋)の構造
大胸筋や腹直筋など、一般的に筋肉と認識されているものは、「横紋筋(骨格筋)」と呼びます。
横紋筋(骨格筋)は、縦長の形をしており、束が集まってできています。その一つ一つの束を「筋束」と言います。筋束は「筋繊維」の束でできています。さらに、筋繊維は、「筋原繊維」の束でできています。
筋原繊維は、「サルコメア」という筋収縮の起点となる組織がたくさん並んで構成されています。このサルコメアを構成しているのが、「アクチンとミオシン」です。アクチンがミオシンに滑り込むことで、筋肉が縮み、筋収縮が行われています。
筋肉は細かい動きから、大きな力発揮まで、非常に細かく力の発揮をコントロールしなければなりません。ですので、非常に微細な構造になっているのです。
1つの筋繊維は、数百〜数千の筋原繊維で構成されていると言われています。サルコメア、アクチン、ミオシンなどは、マイクロメートル、ナノメートルの単位のサイズなので、如何に微細な構造になっているかがわかります。
サルコメアは、「アクチンという明帯」と「ミオシンという暗帯」が規則的に並んで構成されているので、縞模様になっています。
これにより、骨格筋の表面の柄が横紋に見えることから、横紋筋と名付けられています。
平滑筋の構造
横紋筋(骨格筋)以外にも、筋肉の種類として「平滑筋」があります。
平滑筋は、心臓以外の内臓や、血管の外壁として存在しており、そのサイズは骨格筋より小さいです。
平滑筋は、骨格筋のように繊維の束が何層にもなっている訳ではなく、紡錘状の筋繊維が多数並んでいる構造になっています。小さな力を長時間発揮する機能のみなので、骨格筋のように、大きな力発揮は必要なく、何層にもなっていないのです。
横紋筋(心筋)の構造
横紋筋(骨格筋)、平滑筋以外の筋肉の種類として「心筋」があります。
心筋は、その名の通り、心臓を構成している筋肉です。心臓を取り巻くように配置されており、筋繊維が多数繋がって存在しています。
心臓が常に一定のリズムで心拍を刻み続けたり、激しい運動時にリズムが高まったりするのは、この心筋が自律神経によって、自動的に調整されているからです。
骨格筋のように束が集まっている形でもなく、平滑筋のように並んでいる形でもなく、筋繊維が平面状に繋がっています。また、心筋は骨格筋と同じく、横紋筋に分類されます。
心筋は、自動で常に動き続けなければいけない為、壊れないよう非常に丈夫に作られています。
長時間の稼働する為には骨格筋のような瞬発的な力の発揮よりも、持続的なエネルギーの供給が必要です。心筋にはミトコンドリアが多数存在し、持続的なエネルギー供給はミトコンドリア内で行われます。
筋肉の種類の概要(4つの分類)
上記の「横紋筋、平滑筋」の他にも、筋肉の種類の分類方法がいくつかあります。
代表的な分類方法4つを、それぞれ紹介していきます。
随意筋、不随意筋
意図的に動かせるか、否かで分類したものが、「随意筋」、または「不随意筋」です。
随意筋は、骨格筋とほぼ同意であり、自分の意思で動かすことができ、動くことで動作を生み出す筋肉を指します。
一方、不随意筋は、自律神経でコントロールされており、自分の意思では動かすことができませんが、内臓や血管、消化器官などを調整しています。
骨格筋、内臓筋
動作の為に働くか、臓器の為に働くかで分類したものが、「骨格筋」、または「内臓筋」です。
骨格筋は字のごとく、骨についている筋肉を指し、内臓筋は、内臓にある筋肉を指しています。
筋肉のある場所で分けていますが、骨格筋が随意筋、内臓筋が不随意筋、とも言えます。
→ 骨格筋と内臓筋イラスト(作成済み)
横紋筋、平滑筋
記事の冒頭にも解説しましたが、筋繊維の表面に横紋柄があるか否かで分類したものが、「横紋筋」、または「平滑筋」です。
横紋筋はサルコペニアが多く、表面上の横紋柄があり、力強い筋収縮ができ、大きな力を発揮できます。
一方、平滑筋はサルコペニアがないので表面上に横紋柄がなく、筋収縮はするんですが小さな出力しかできません。微量の力を調整することが可能なのが特徴です。
白筋(速筋)、赤筋(遅筋)、ピンク筋(中間筋)
筋繊維の横断面の見た目が赤っぽいか、白っぽいかで分類したものが、「白筋(速筋)」、または「赤筋(遅筋)」です。
赤筋(遅筋)は、筋肉に含まれるミオグロビン、ミトコンドリアの量が多く、赤く見えます。これらがある事で長時間のエネルギー供給が可能になっています。
白筋(速筋)と赤筋(遅筋)の中間の機能を持つ、ピンク筋(中間筋)も存在します。
筋肉の種類に関しての詳細は別記事にまとめましたので、こちらの記事もぜひ確認してみてください。
筋肉の種類と特徴【4つの分類方法について分かりやすく解説します】
まとめ
筋肉の構造としては、横紋筋(骨格筋)、平滑筋、横紋筋(心筋)の3種類に分類できます。それぞれの特徴はぜひ理解しておきましょう。
また、構造としての分け方以外にも、筋肉がある部位毎や、断面の見た目など、代表的な分類方法が4つありますので、どういう違いかも説明できるようにしておくと良いと思います。
筋肉の構造に関して、また、その他の基礎的な知識に関しても、ご質問や疑問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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