筋肉の種類と特徴【4つの分類方法について分かりやすく解説します】

筋肉の種類と特徴【4つの分類方法について分かりやすく解説します】

筋肉の知識を深堀りしている方

筋肉の種類って、どんなものがあるんだろう? 分類方法もいくつかあるみたいだから、それらについて詳しく知りたい!

こんな疑問にお答えします。

今回は、筋肉の基礎知識として、以下を解説していきたいと思います。

  • 筋肉の種類と特徴(4つの分類方法)

私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。

スクールでは、解剖学や生理学、バイオメカニクスなど、パーソナルトレーナーとして活動するための基礎知識の講義もあり、それらの講義の内容を整理して、今回のテーマについて解説していきたいと思います。

筋肉ってどんな種類があるの?

筋肉というと、表面的に見える筋肉を思い浮かべると思いますが、実は筋肉は全身で600を超える数があり、様々な種類のものがあります。

筋肉はいくつかの種類に分けることができ、代表的な分類方法としては以下の4つです。

  • 「随意筋、不随意筋」:意図的に動かせるか、否かで分類したもの
  • 「骨格筋、内臓筋」:動作の為に働くか、臓器の為に働くかで分類したもの
  • 「横紋筋、平滑筋」:筋繊維の表面に横紋柄があるか否かで分類したもの
  • 「白筋、ピンク筋、赤筋」:筋繊維の横断面の見た目が赤っぽいか、白っぽいかで分類したもの

一つの筋肉は、上記の4つの分類それぞれに当てはまり、例えば、腕の力こぶの筋肉である「上腕二頭筋」ですと、随意筋であり、骨格筋であり、横紋筋であり、白筋繊維を多く含んでいます。

また、心臓の動きを司る筋肉である「心筋」ですと、不随意筋であり、内臓筋であり、横紋筋であり、赤筋繊維を多く含んでいます。

それでは、これら4つの分類方法について解説していきたいと思います。

筋肉の種類の分類1:随意筋と不随意筋

筋肉の種類の分類1:随意筋と不随意筋

筋肉の中には、ヒトが自分の意思で意図的に動かせる筋肉「随意筋」と、生命維持のために、自分の意思とは関係なく、自動的に働く筋肉「不随意筋」があります。

約600もあるヒトの筋肉のうち、約400は随意筋で、約200は不随意筋です。

日常動作のように、意図的に動かせるシーンと、身体の器官には寝ている間など、意図していない状態でも活動していなければいけないシーンがあるので、随意筋と不随意筋が存在します。

例えば、腕や脚などは、自身の意図で動かせるので、随意筋です。一方、心臓や血管などは自身の意図に関係なく動いているので、不随意筋となります。

筋肉の種類の分類2:骨格筋と内臓筋

筋肉の種類の分類2:骨格筋と内臓筋

骨格筋、内臓筋の分け方は、随意筋、不随意筋とほぼ同意で、自分の意思で動かせる筋肉を「骨格筋」、内臓に存在するような筋肉を「内臓筋」と呼びます。

「随意筋、不随意筋は『機能』で分類している」のに対し、「骨格筋、内臓筋は『存在する箇所』で分類している」という違いがあります。

具体的には、腕や足など、骨についており、その筋肉が働くことによって、ヒトの動作を生み出す筋肉を骨格筋と言います。一方、内臓にあり、各臓器の働きをコントロールしたりするのが内臓筋です。

内臓筋の中でも、心臓の筋肉を「心筋」と個別に呼んだりします。

筋肉の種類の分類3:横紋筋と平滑筋

筋肉の種類の分類3:横紋筋と平滑筋

筋肉の繊維の一番小さい繊維に当たる「筋原繊維」内にある、「サルコメア(下記参照)」というものを多く持っている筋肉を「横紋筋」と呼び、サルコメアを持っていない筋肉を「平滑筋」と呼びます。

このサルコメアが存在すると、筋肉の表面の柄が横紋に見えることから、横紋筋と名付けられています。サルコメアが存在しないと、筋肉の表面に横紋は存在せず、それらは平滑筋と名付けられています。

専門知識:サルコメア
サルコメアは、筋肉が収縮する時の最小単位のことです。サルコメアの長さが短くなることで、筋肉が縮んでいます。

サルコメアは、「アクチンという明帯」と「ミオシンという暗帯」が規則的に並んで構成されているので、縞模様になっています。

筋肉収縮時は、アクチンがミオシンに滑り込み、サルコメアの長さが短くなっています。

横紋筋は、収縮によって大きな力が発揮できるよう、サルコメアが多数存在します。例えば、腕や足などの筋肉は大きな力発揮が必要なので、横紋筋で構成されています。

平滑筋は小さな力が発揮できれば良いので、サルコメアは存在しません。内臓などの筋肉は、大きな力は必要なく、小さく継続的な収縮ができれば良いので、平滑筋で構成されています。

平滑筋も収縮するために、少数のアクチン、ミオシンが存在しています。アクチン、ミオシンが存在していますが、サルコメアのようにアクチンとミオシンが規則的に並んでないので、縞模様にはなっていません。

筋肉の種類の分類4:白筋、ピンク筋、赤筋

筋肉の種類の分類4:赤筋、白筋、ピンク筋

筋肉中にある、ミトコンドリア、ミオグロビンの量が少ないものを「白筋」と呼び、ミトコンドリア、ミオグロビンの量が多いものを「赤筋」と呼びます。その中間のものも存在し、「ピンク筋(中間筋)」と呼ばれています。

ミトコンドリア、ミオグロビンは鉄分を含んでおり、その鉄分が赤い色素を持っているので、ミトコンドリア、ミオグロビンを多く含むほど赤く見えるのです。

また、白筋を「速筋」、赤筋を「遅筋」とも呼びます。白筋は、素早く収縮し、大きな力を発揮するのに優れており、赤筋は、ゆっくり長時間力を発揮するのに優れています。

ヒトの身体の筋肉は、部位によって、求められる機能、役割が異なるので、その部位に存在する筋肉の種類が異なり、ミトコンドリアやミオグロビンの量が異なります。

例えば、心臓や呼吸器は、継続的に機能していなければいけませんが、大きな力は必要がないので、赤筋(遅筋)の割合が多くなります。一方、太ももや腕、肩などは、臓器や呼吸器と比べると、時に大きな力の発揮が必要なので、白筋(速筋)の割合が多くなります。

また、白筋の方が筋肥大しやすいので、ボディメイクなど、身体を大きくしたい方の場合は、白筋の割合の多い「大腿部や胸部、背部」などを鍛えると、筋肥大の効率が良いです。

まとめ

筋肉の種類の分け方4つについては、それぞれどういう分類方法なのか理解して、説明できるようにしておきましょう。

トレーニングやコンディショニングをする際に、それぞれの筋肉の特徴を考慮していただくと、より良いアプローチができると思います。

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