筋肉の部位を調べている方
こんな要望にお答えします。
今回は、筋肉の基礎知識として、以下を解説していきたいと思います。
- 主要な筋肉の部位の「名称と作用」(画像付き)
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しており、近年はパーソナルトレーナー養成スクール「Sharezスクール」の運営と講師も勤めています。
スクールでは、解剖学や生理学、バイオメカニクスなど、パーソナルトレーナーとして活動するための基礎知識の講義もあり、それらの講義の内容を整理して、今回のテーマについて解説していきたいと思います。
目次
筋肉の部位1:胸の主要な筋肉の名称と作用
胸の主要な筋肉は、以下の3種類です。
- 大胸筋
- 小胸筋
- 前鋸筋
それぞれについて、特徴や作用などを解説します。
大胸筋
大胸筋は、胸の真ん中から、腕にかけてついている筋肉です。水泳選手などの発達が目立つ筋肉ですね。
「腕を前に持ち上げる」、「腕を内側に動かす」、「腕を水平に持ち上げて内側に動かす」動きに関与します。
男性であれば、男らしさの象徴のような筋肉なので、ぜひ鍛えたい部位です。女性の方にとっても、バストラインをキレイにキープするためには重要な筋肉です。
大胸筋を鍛える際は、大胸筋の収縮、伸張をしっかり行うために、起始部である「胸骨」を前に出し、常に胸を張った状態で腕を動かすことがポイントです。
小胸筋
大胸筋に対して、小胸筋という名前なのですが、その役割はかなり異なります。
大胸筋は身体の前面についている筋肉ですが、小胸筋は肩甲骨から、肋骨にかけて付着しており、身体の前面から後面にかけてついています。
「肩甲骨を外に動かす」、「肩甲骨を下に下げる」、「肋骨を引き上げて呼吸をサポートする」動きに関与します。
鎖骨の下あたりで触診できますが、表面的にはほとんど見えない筋肉です。
前鋸筋
脇の下付近に見える、斜めのラインが入った筋肉です。
肩甲骨の外転が大きな働きなので、ボクサーやK-1選手などのパンチを伴うスポーツをしている選手はよく発達しています。
「肩甲骨を外に動かして、腕を前に伸ばす動きをサポートする」、「肩甲骨を外側上方に動かして、腕を持ち上げる動きをサポートする」動きに関与します。
筋肉の部位2:背中の主要な筋肉の名称と作用
背中の主要な筋肉は、以下の6種類です。
- 広背筋
- 大円筋
- 小円筋
- 僧帽筋
- 菱形筋
- 脊柱起立筋
それぞれについて、特徴や作用などを解説します。
広背筋
広背筋は、逆三角形の身体を作る為には欠かせない部位です。
「腕を上から下に動かす」、「前から後ろに動かす」、「腕を水平に持ち上げて外に開く」動きに関与します。
広背筋を発達させることで、ウエストも細く見えるので、ウエストをキレイに見せたい女性にもオススメです。
大円筋
大円筋は、広背筋と共同して働くことが多い筋肉です。
「腕を上から下に動かす」、「前から後ろに動かす」動きに関与します。
大円筋も広背筋同様、逆三角形の身体を作る上で欠かせない筋肉です。
小円筋
大円筋と小円筋は、名前は似ていますが、その機能は全く異なります。
小円筋は、肩甲骨と上腕骨についており、「気をつけの姿勢から、腕を外に回して手のひらを外側に向けていく」動きに関与します。
僧帽筋
僧帽筋は、「肩甲骨を内側に寄せる」、「肩甲骨を上に引き上げる」動きに関与します。
トレーニングの多くは、胸を張った状態で行うものが多いのですが、僧帽筋をうまく働かせることができると、肩甲骨が寄り、胸が張りやすくなります。うまく胸が張れない方は、僧帽筋が衰えている可能性があります。
また、僧帽筋は、肩こりの原因となっている筋肉でもあります。
菱形筋
菱形筋は、僧帽筋の下にある筋肉です。
脊柱と肩甲骨についているので、僧帽筋と同様に、「肩甲骨を中心に向かって寄せる」動きに関与しています。
菱形筋が衰えてしまい肩甲骨を寄せる動きがしづらくなると、猫背気味なり、腰痛などを併発してしまう可能性があります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋という単体の筋肉ではなく、腸肋筋、最長筋、棘筋の総称です。
脊柱起立筋は、「身体を反る」動きに関与しています。
背骨に沿ってついている筋肉なので、姿勢や身体のラインを気をつけている方は積極的に鍛えたい部位です。
筋肉の部位3:肩の主要な筋肉の名称と作用
肩の主要な筋肉は、以下です。
- 三角筋
三角筋について、特徴や作用などを解説します。
三角筋
三角筋を鍛えることで、肩の丸みが出てきます。
男性で肩幅をつけたい方や、服をカッコよく着こなしたい方には、ぜひ鍛えていただきたい部位です。
また、この部位の筋力が衰えていくと、腕を上げる動きがしづらくなったり、腕を上げる動作で別の部分に負担がかかってしまい、四十肩や五十肩の原因になります。アンチエイジングとしても鍛えておきたい部位です。
筋肉の部位4:腕の主要な筋肉の名称と作用
腕の主要な筋肉は、以下の4種類です。
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 上腕筋
- 前腕筋群
それぞれについて、特徴や作用などを解説します。
上腕二頭筋
上腕二頭筋は、いわゆる「力こぶ」と呼ばれている部位です。
男性であれば男らしい腕を作るために重要な部位と言えます。腕を太くしたい方はぜひ鍛えたい部位です。
また、上腕二頭筋は肩甲骨についており、固くなると、肩周りの動きも悪くなってしまいます。四十肩や五十肩の予防としても鍛えておきたい部位です。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は、いわゆる「二の腕」「ふりそで」と言われている部位です。
肘を伸ばすことが上腕三頭筋の主な働きなのですが、日常生活で肘を伸ばすことに対して大きな負荷がかかることは少ないです。
意図的に使っていないと、どうしても筋力低下しやすく、たるんでしまいやすい部位と言えます。
反対に、しっかり鍛えることで、男性であれば腕を太くするができますし、女性であれば引き締まった腕を作ることができます。
上腕筋
上腕筋は、「肘の屈曲」動作に関与するので、上腕二頭筋と一緒に働くことが多い筋肉です。
上腕二頭筋と見分けにくい部分がありますが、上腕筋の上に、上腕二頭筋が被さっているような状態で付着しています。
前腕筋群
前腕筋群は、握力に関与したり、手首の動き、指の動きに関与する筋肉です。
握力を強くしようと思ったら、この前腕筋群を鍛えなければいけません。
また、スマホやPC作業などでも日常でよく使うので、疲労しやすい部位とも言えます。
筋肉の部位5:腹の主要な筋肉の名称と作用
腹の主要な筋肉は、以下の3種類です。
- 腹直筋
- 腹斜筋群
- 腹横筋
それぞれについて、特徴や作用などを解説します。
腹直筋
腹直筋は、いわゆる「シックスパック」と言われている部分です。
縦のラインとして「白線」、横のラインとして「腱画」があります。これらの存在によって、腹筋のブロックは分かれています。
このラインは他の筋肉にはない、腹直筋だけの特徴といえます。
腹斜筋群
腹斜筋群は、「身体を捻る」動きに関与します。
内腹斜筋の上に、外腹斜筋が被さるようについています。
ですので、身体が絞れた人の脇腹には、外腹斜筋のラインだけ見えることになります。
腹横筋
腹横筋は、肋骨の下から骨盤までのウエスト部分を、コルセットのように、ぐるっと巻くようについているインナーマッスルです。
呼吸や腹圧に関与する筋肉で、スクワットやデッドリフトなどで高重量を扱う際には、強く働き、体幹を固定しようとします。
腹横筋の筋力が低下すると、体幹の固定力が落ちてしまい、姿勢や、腰痛などにも影響が出てしまいます。
「姿勢を整える、腰痛予防」という意味でも鍛えておきたい筋肉です。
筋肉の部位6:お尻の主要な筋肉の名称と作用
お尻の主要な筋肉は、以下の2種類です。
- 大臀筋
- 中臀筋
それぞれについて、特徴や作用などを解説します。
大臀筋
女性であればプリッとしたお尻に憧れる方も多いと思いますが、それを実現させるためには欠かせないのが大臀筋です。
大きな筋肉なので、しっかり負荷をかけてトレーニングをしなければ、プリッとしたお尻にはなっていきません。筋トレする際には、軽い負荷でフォームが確立してきたら負荷を上げていきましょう。
日常生活では、お尻に大きな負荷がかかることはあまりないので、何もしないと垂れてしまったり、たるみやすいです。
中臀筋
中臀筋は、お尻の横についている筋肉です。
足を外側に開くときに働く筋肉で、片足でバランスをとる時にも働きます。歩く際、走る際にも重要な役割を果たします。
スポーツパフォーマンス向上や、若々しい足腰を維持するためにも鍛えたい部位です。
筋肉の部位7:脚の主要な筋肉の名称と作用
脚の主要な筋肉は、以下の4種類です。
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 内転筋群
- 下腿三頭筋
それぞれについて、特徴や作用などを解説します。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの前に位置する筋肉で、身体の中でも非常に大きな筋肉です。
鍛えることでカロリー消費も多く、鍛えた事による代謝のアップも見込めます。
ダイエット時には、スクワットなどを取り入れ、ぜひ鍛えたい筋肉です。
ハムストリングス
ハムストリングスは、太ももの裏に位置する筋肉で、身体の中でも大きな筋肉です。
「足を後ろに持っていく」、「膝を曲げる」動きに関与しており、ランニング動作に大きな影響を与えます。
陸上競技などを見て頂くとわかりますが、陸上選手は、お尻から太ももの裏側の筋肉が非常に発達しています。
後ろ姿や、立ち姿をキレイにしたい方は、ぜひ鍛えたい筋肉です。
内転筋群
内転筋群は、主に足を内側に閉じる、内側に捻るといった動きに関与します。
内転筋群は、衰えてしまうと、足を内側に閉じる動きがしづらくなるので、いわゆる「O脚」気味になってしまいます。
足のラインが気になる方は、内転筋群のトレーニングを取り入れてみましょう。
下腿三頭筋
下腿三頭筋は、いわゆる「ふくらはぎ」の部分です。また、この部分が痙攣することを「こむら返り」と言います。
立ちっぱなしだったり、ずっと同じ姿勢が続くと、下腿三頭筋付近には体水分量が蓄積しやすくなり、いわゆる浮腫んだ状態になります。
下腿三頭筋をストレッチをしたり、トレーニングをすると、血流が促進されるので、浮腫みが取れてスッキリします。
浮腫みやすい方、足のラインが気になる方は是非鍛えたい部位です。
まとめ
各筋肉の働きを理解した上でトレーニングをすることで、ターゲットとなる筋肉に対して正確な動きを行うことができ、トレーニングの質を高めることができます。
また、パーソナルトレーナーの方にとっても、それぞれの筋肉の働きを正確に理解しておくことは、質の高い指導に繋がります。
今回のテーマの「筋肉の部位」や、その他の基礎的な知識に関して、ご質問や疑問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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