トレーナーに興味がある方
こんな疑問にお答えします。
今回は、トレーナーの種類について、以下を解説していきたいと思います。
- トレーナーの種類と仕事内容
- トレーナー種類別の雇用形態、給料、休日、勤務時間まとめ
- トレーナーのなり方(種類別)
- トレーナーに向いている人(種類別)
- トレーナーの仕事の将来性
私は、渋谷のパーソナルトレーニングジム「Shibuya Fitness Sharez」を2015年から運営しておりますが、それ以前に、フィットネスジム運営企業に勤めたり、ジム運営のコンサルをしたりと、色々なトレーナーの方々と関わる機会がありました。
それらの経験や、知人のトレーナーの方々から得た情報を元に、解説していきたいと思います。
目次
トレーナーの種類と仕事内容
トレーナーの種類は大きく分けて6種類あります。
- フィットネストレーナー(ジムトレーナー、フィットネスインストラクター)
- アスレチックトレーナー(メディカルコーチ、メディカルスタッフ)
- ストレングストレーナー
- コンディショニングトレーナー
- メディカルトレーナー
- パーソナルトレーナー
現在の人数比率は、「フィットネストレーナー>パーソナルトレーナー>コンディショニングトレーナー>アスレチックトレーナー、メディカルトレーナー>ストレングストレーナー」です。
フィットネスクラブは日本に5,000件近くあり、各クラブに数名ずつフィットネストレーナーがいるので、最も多いです。パーソナルトレーニング人気で、パーソナルトレーナーも増えてきています。
それでは、それぞれの仕事内容、活動場所、指導・サポートする対象者を紹介していきます。
フィットネストレーナー(ジムトレーナー、フィットネスインストラクター)
- 仕事内容:フィットネスジムでのトレーニング指導、体組成計測定、スタジオでのレッスン、接客、お客様のご案内、館内説明、マシンメンテナンス、清掃、事務作業、在庫管理
- 活動場所:フィットネスジム、フィットネススタジオ
- 対象者:一般顧客
フィットネストレーナーは、大きく2つに分類されます。
フィットネスジムで、ジムの監視をしていたり、清掃をしていたり、マシンの使い方を教えてくれるのが、ジムトレーナーです。
ジムのスタジオで、エアロビクスやダンス、ヨガ、ピラティスなどのグループレッスンをしている先生のような存在が、フィットネスインストラクターです。
アスレチックトレーナー(メディカルコーチ、メディカルスタッフ)
- 仕事内容:試合や練習でのケガの応急処置、治療サポート、リハビリメニュー作成、コンディショニング(マッサージ、ストレッチ、鍼灸治療など)
- 活動場所:スポーツ現場
- 対象者:アスリート
スポーツの試合などで、選手がケガをし、アイシングやテーピングのケアをしているシーンを見たことがありませんか?
スポーツ選手のケガの応急処置、ケガの予防の処置などを行っているのが、アスレチックトレーナーです。
ストレングストレーナー
- 仕事内容:パワー強化、スピード強化、持久力強化などパフォーマンスアップの為のトレーニングメニュー作成、トレーニング指導
- 活動場所:スポーツ現場、フィットネスジム
- 対象者:アスリート
スポーツ選手のパワーやスピード、柔軟性、持久力といったパフォーマンスを高める為のトレーニングプログラムを作成したり、またその指導をするのが、ストレングストレーナーです。
トップ選手だけでなく、一般の方でスポーツをしている方やアマチュアアスリートなども対象です。
コンディショニングトレーナー
- 仕事内容:肩こり、腰痛など痛みの改善、姿勢改善の為のトレーニング指導、コンディショニング(マッサージやストレッチなど)
- 活動場所:スポーツ現場、フィットネスジム
- 対象者:一般顧客、アスリート
試合前にマッサージをしたり、試合後にケアをしたり、疲労が溜まった時に鍼治療やマッサージを行うのが、コンディショニングトレーナーです。
スポーツ選手だけでなく、一般の方の肩こりや腰痛、姿勢改善などにも対応します。治療系の資格を持っている方が多いです。
メディカルトレーナー
- 仕事内容:試合や練習でのケガの応急処置、治療サポート、リハビリメニュー作成、肩こり、腰痛など痛みの改善、コンディショニング(マッサージやストレッチ、鍼灸治療、など)、医療機関との連携
- 活動場所:スポーツ現場、医療機関
- 対象者:一般顧客、アスリート
医療機関などと連携して、スポーツ選手のケガのリハビリをサポートしたり、復帰までのサポートを行うのが、メディカルトレーナーです。理学療法士に近い仕事です。
アスレチックトレーナーと兼務している場合も多いです。
パーソナルトレーナー
- 仕事内容:マンツーマンでのトレーニング指導、食事指導、顧客管理、スケジュール管理、集客
- 活動場所:フィットネスジム、パーソナルジム、自宅やオフィスへの出張
- 対象者:一般顧客、アスリート
フィットネスクラブ、あるいはパーソナルジムなどで、マンツーマンでトレーニング指導、食事指導を行うのが、パーソナルトレーナーです。
自宅やオフィスへの出張などを行なっている方もいます。
トレーナー種類別の雇用形態、給料、休日、勤務時間まとめ
トレーナーの種類毎に、働き方は異なります。
それぞれの雇用形態、給料、休日、勤務時間などについて解説していきます。
トレーナーの種類毎の雇用形態と給料
雇用形態は、アルバイト、正社員、業務委託契約のケースがあります。
どのトレーナーの種類でも、社員契約の場合は、スタートは月給20〜25万と考えて良いでしょう。
アスリートを対象とするトレーナー(アスレチックトレーナー、ストレングストレーナーなど)の場合、自身の実績や経験、契約先の選手やチームの状況などによって契約条件が異なり、給料も変わってきます。
一般顧客を対象とするトレーナー(フィットネストレーナー、パーソナルトレーナー)の場合、雇用形態や客単価によって給料が変わってきます。
パーソナルトレーナーの社員契約の場合は、固定給+インセンティブという給与形態の場合もあります。
フィットネストレーナー(ジムトレーナー、フィットネスインストラクター)
- アルバイト、契約社員、正社員(ジムトレーナー):月給は、20万〜25万スタート
- 業務委託契約(フィットネスインストラクター):月収は、18万〜60万(1レッスン3000-8000円)
アスレチックトレーナー(メディカルコーチ、メディカルスタッフ)
- 契約社員、正社員:月給は、20万〜25万スタート
- 業務委託契約:月収は、20万〜80万(契約内容次第)
ストレングストレーナー
- 契約社員、正社員:月給は、20万〜25万スタート
- 業務委託契約:月収は、20万〜80万(契約内容次第)
コンディショニングトレーナー
- 契約社員、正社員:月給は、20万〜25万スタート
- 業務委託契約:月収は、20万〜80万(契約内容次第)
メディカルトレーナー
- 契約社員、正社員:月給は、20万〜25万スタート
- 業務委託契約:月収は、20万〜80万(契約内容次第)
パーソナルトレーナー
- 契約社員、正社員:月給は、20万〜25万スタート
- 業務委託契約:月収は、20万-100万以上(1セッション6000-12000円)
トレーナーの休日と勤務時間
どのトレーナーの種類においても、アルバイト、契約社員、正社員の場合は、シフト制で休日はシフト次第となります。
契約社員、正社員の場合に関しては、サービス業なので残業もあります。給料に残業代が含まれているケースがほとんどです。業務委託契約の場合は、アスリートやスポーツチームを対象にするか、一般顧客を対象にするかで、休日や勤務時間が異なります。
アスレチックトレーナー、ストレングストレーナー、コンディショニングトレーナー、メディカルトレーナーなど、アスリートやスポーツチームなどと契約する場合は、試合や練習、合宿に帯同したりするので、休日は選手やチーム次第となり、拘束時間も長い場合が多いです。
一般顧客を対象にしたパーソナルトレーナーも、業務委託契約の場合は、お客様にスケジュールを合わせる形になるので、人気トレーナーほど労働時間が長くなり、休みが少なくなる傾向にあります。
トレーナーのなり方(種類別)
アスリートを対象にしたものや、医療と関わる仕事の中には、専門の資格が必須な仕事もあり、必要な資格によって学ぶ場所を選択する必要があります。
一方、フィットネストレーナー、コンディショニングトレーナー、パーソナルトレーナーなど、一般顧客を対象にした仕事は、入社後に社内研修があったり、トレーナー養成スクールなどもあるので、未経験者でも比較的チャレンジしやすいです。
トレーナーになる方法として、以下の3つを解説していきます。
- 体育系の大学(学部)、専門学校(スポーツ・医療系)で学ぶ
- 養成スクールで学ぶ
- 独学で学ぶ
体育系の大学(学部)、専門学校(スポーツ・医療系)で学ぶ
メディカルトレーナー、アスレチックトレーナー、ストレングストレーナーなど、アスリートを対象にする場合は、資格取得や現場経験が必須の場合が多いので、体育系の大学(学部)、専門学校(スポーツ・医療系)で学ぶ必要があります。
具体的には、体育大学(学部)、スポーツ専門学校、鍼灸師専門学校、柔道整復師専門学校、理学療法専門学校、あん摩マッサージ指圧師専門学校などです。
アスリートやスポーツチームのトレーナーになる為に、社会人になってから専門学校などに入り直す方もいます。
体育系の大学(学部)、専門学校(スポーツ・医療系)で学んで、フィットネストレーナー、パーソナルトレーナーになる方もいます。私自身も体育大学を卒業し、フィットネストレーナーを経て、パーソナルトレーナーになっています。
メリット
- インターンなどで現場経験を詰むことができる
- 解剖学、生理学、栄養学、バイオメカニクス、実技、スポーツビジネス、歴史など幅広い知識が身につけられる
- 資格取得ができる
- スポーツ選手やチームとの契約の際に有利に働く(どこの学校出身か、どこでインターンしたか、などが経歴が問われる為)
デメリット
- 学費が高い(専門学校で200-300万円、大学で400万円ほどかかる)
- 期間がかかり過ぎる(専門学校で2-3年、大学で4年かかる)
養成スクールで学ぶ
トレーナーになる為の知識、技術を身につける為の「トレーナー養成スクール」というものが、昨今増えています。主にパーソナルトレーナーになる為の養成スクールが多いです。パーソナルトレーナー養成スクールの情報はこちらにまとめました↓↓
パーソナルトレーナーになるには育成スクールが最適?【人気スクールを紹介】
異業種でトレーナーへの転職を考えている方、駆け出しのトレーナーなどがスクールで学んでいます。
※ここで解説している「養成スクール」は民間のスクールであり、大学や専門学校を除くものを指しています。
理学療法士、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格は、専門の教育機関(大学、専門学校)に行き、国家試験に合格しないと取得できないので、国家資格の取得はできないという点で、注意が必要です。
メリット
- パーソナルトレーナーになる為に必要な要素を抽出して学習できる
- 週末などに仕事をしながらでも通える
- 大学や専門学校よりも短い期間で学べる
- 大学や専門学校よりもコストが安い(20〜65万円)
デメリット
- 幅広い知識が身につけづらい
- 大学卒業などの証明は手に入らない
- 現場経験が多くは積めない
独学で学ぶ
一般の方を対象としたフィットネストレーナー、パーソナルトレーナー、コンディショニングトレーナーなどであれば、独学でもなる事は可能です。
具体的には、書籍や動画、セミナーなどで学んでいきます。出来るだけお金をかけたくない方は、独学で学ぶ方もいます。
しかし、アスリートやスポーツチームを対象にした仕事や医療と関わる仕事は、経験や経歴で判断をされる為、独学では難しいです。
メリット
- コストがあまりかからない(0〜数十万)
- 自分の好きな時に学べる
デメリット
- 質問などがすぐにできないので効率が悪い
- スポーツ選手やチームとの契約は難しい(どこの学校出身か、どこでインターンしたか、などが経歴が問われる為)
トレーナーに向いている人(種類別)
トレーナーに向いている人には、3つのパターンがあります。好きなことや得意なことを生かせる仕事ですが、トレーナーの種類毎にどんな人が向いているか分かれます。
体育系の大学、学部、専門学校(スポーツ・医療系)を卒業した方
体育系の大学、学部、専門学校(スポーツ・医療系)を卒業した方は、どの種類のトレーナーにも比較的対応可能です。
トレーナーになる為に必要な資格が取得できますし、学んできたことをすぐに活かせます。
どの種類のトレーナーを目指すか決まっている方は、必要な資格を確認し、その資格を取得できる学校、コースを選択しましょう。資格取得の為に、トレーナーになる前に複数の学校に通う方もいます。
筋トレマニアの方
自身がフィットネスクラブや自宅などでトレーニングをしていて、トレーニングや栄養に関する知識を身につけている方です。
こういった方は、自分の好きなことを仕事にできたり、自分の得意なことを活かせるので、フィットネストレーナー、パーソナルトレーナー、ストレングストレーナーなど一般顧客対象のトレーナーに向いています。
新卒でフィットネス企業に就職した方だけでなく、現在はフィットネス企業に勤めていない方でもトレーナーに転身し、トレーナーの仕事を始めている方が増えてきています。
接客好きな方
人と話すのが好き、コミュニケーションをとるのが好き、接客業が好き、という方です。
こういった方は、自分の好きなことを仕事にできますし、自分の得意なことを活かせるので、フィットネストレーナー、パーソナルトレーナー、コンディショニングトレーナーなど、一般顧客対象のトレーナーに向いています。
営業職の方、美容師の方、飲食業の方などからトレーナーの仕事に転職する方もいらっしゃいます。
トレーナーの仕事の将来性
トレーナーの仕事の将来性は、対象者によって異なります。
まず、アスリートだけを対象にするのは、非常に間口が狭く、競争が激しい、厳しい世界です。ですので、一般の方も対象にしながら、幅広い方を対象に収入を確保していくのがベターな働き方です。
一般の方を対象とした、パーソナルトレーナー、コンディショニングトレーナーであれば、年齢関係なく活躍できるチャンスがあります。
年齢ごとのキャリアについて
アスレチックトレーナー、メディカルトレーナー、ストレングストレーナー
スポーツ選手、スポーツチームの数がどんどん増えているわけではないので、スポーツ選手、スポーツチームと専属契約するのは、非常に競争が激しい世界です。
実績のあるトレーナーは、長期的に契約しているので、次の席がなかなか空かない状況です。
よって、アスリートだけを対象にしたトレーナーの場合は、30代、40代になって競争に勝たないと契約も取れず、収入も上がりづらくなってしまいます。
そこで、長く仕事を継続していくには、アスリートだけでなく、一般の方も対象にしながら収入を確保していく必要があります。
もしくは、海外選手、チームの指導をするという手もあります。私の知人でも、アジア圏のスポーツチームの専属トレーナーをやっている方もいます。
フィットネストレーナー、パーソナルトレーナー
フィットネストレーナーやパーソナルトレーナーは、年齢関係なく活躍できる場があります。
フィットネストレーナーで社員の場合は、20代でトレーナー業に加えて、運営業務をいくつか担当し、30代でマネジメント職、40代でエリアマネジメと職、幹部職というのが王道キャリアです。
パーソナルトレーナーの場合は、実績を積み、独立開業するケースが多いです。早い方は20代で独立開業しています。
私が運営している「Shibuya Fitness Sharez」では、パーソナルトレーナー1年目からパーソナルジムを開業し、成功しているメンバーもいます。
トレーナー未経験の方、体育系の大学、学部、専門学校を卒業していない方でトレーナーを目指したい方は、フィットネストレーナーやパーソナルトレーナーを目指すのがオススメです。
さらに収入も上げたいという方は、パーソナルトレーナーがオススメです。
トレーナーは、何歳までできるのか?
トレーナーの仕事に、特に年齢制限はありませんが、スポーツ選手を対象とする、ストレングストレーナーの場合は、自身も動いて見本を見せたりする必要がある為、あまり高齢になると厳しいです。
アスレチックトレーナー、メディカルトレーナー、コンディショニングトレーナーなどの場合は、対象をスポーツ選手、スポーツチームだけではなく、一般顧客にも対応し、サービス内容を治療やコンディショニングとしていけば、60代などでも続けれます。一般の方、アスリート向けに治療院などを開業しているケースが多いです。
社員トレーナーの場合は、マネジメント層に50代の方などもいるので、キャリアアップしていけば65歳の定年まで働くことは可能です。
トレーニング内容もそこまでハードなものではなく、コンディショニングや機能改善系のものが多いです。
このように、一般の高齢者、シニア層を対象にしたパーソナルトレーナー、コンディショニングトレーナーなどは、将来的にもニーズがあります。
一方で、全体的に給料水準が高い業界ではないので、30代、40代、結婚などのタイミングで転職する方もいらっしゃいます。
「独立開業して成功する、フリーランスとして人気になる、社員としてキャリアアップする」のいずれかに進めないと、高い給料を得ることが難しいので、将来のことを考えて転職する方もいらっしゃいます。
まとめ
トレーナーは、種類毎に、なるまでのプロセスも、仕事内容も、求められるスキルも異なります。
トレーナーの仕事にご興味ある方は、自分にとってどの種類が良いか、ぜひ参考にしてみてください。
ご不明な点や気になる点、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください!